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Aerial/01―06



 天上天下唯我独尊を絵に描いたような暴走女に教師役が勤まるのかという疑問が有ったが、意外や意外、小テストの結果を元に問題点や改善点を指摘してくるハルヒの態度及び指導方法は想像していたよりは遥かにまともだった。教え方が上手いと言うほどでもないが下手と言うほどでもない。少なくとも生徒の耳に残りそうにない授業ばかりを続けている一部の教師連中よりはマシだ。
「……今日は時間が無いからこれで良しとしてあげるわ。あんた、自習とかちゃんとしなさいよ」
 そう言うハルヒは一体どうなのだろう。自習と言うか、一人の時間にどう過ごしているかってことだが。ん、待てよ。一人の時間? ……違うな、一人の時間じゃない。この士官学校では原則二人部屋だ。俺は一人部屋だが俺みたいに偶発的に一人部屋になる人間は数十人に一人居るかどうかだ。ということは、ハルヒにも同室者が居る確率が高いってことだ。
「なあ、ハルヒ、お前の同室者って誰なんだ?」
「阪中よ。あんた、そんなことも知らなかったの?」
「……あ、ああ」
 そんなことも、と言われても。同級生の誰と誰が同じ部屋かなんてのを知っているのは基本的に同性間だけだ。異性の寮には入れないから知っていても意味がない。他の奴はどうか知らないが俺が知っていた女子の部屋割は長門が朝倉と同室だってことだけだった。ハルヒが言った名前は知っている。阪中、確か大人しい感じの女子だったな。目立たないというほど影が薄いわけでもないがかと言って派手なグループと縁が有りそうでもない。クラスメイトだから挨拶くらい交わしたことはあるが会話らしい会話を交わした記憶はほとんどない。ハルヒと阪中が話しているところを見た記憶もないし、ハルヒの話題に彼女の名前がくっついて来たことも無いような気がする。
「あんまり交流は無いわね。別に仲悪いわけじゃないけど」
 ハルヒが阪中と仲良く話しているところも喧嘩しているところも想像がつかない。二人部屋のはずなのにハルヒが完全に取り仕切っているという可能性も有るが――他人の生活スタイルには口を挟むまい。何か有ったら朝倉をはじめとしたしっかり者の女子が何とかしてくれることだろう。少なくとも女子同士の問題に男子が口を挟む必要は無いしそもそもまだ問題が起きているわけですらない。ハルヒの性格を考えるとそれも時間の問題という気もするが。
「あんたは一人部屋なんでしょ?」
「ああ」
「気楽そうねえ」
「まあな」
「……全く、一人だからってだらけ過ぎるのは推奨出来ないわよ。あんただって何時までも一人だとは限らないんだし」
 言いたいことは分かるがそんな簡単に士官学校の生徒が増えるとは思えないぞ。単位修得の都合とかが有るからな。もし一年の男子に増員が有ってそいつが俺の同室になるような機会が有るとしてもそれはもう少し先の話だろう。最低でも夏休み明けってところか。
「あら、そんな時期じゃつまらないわ」
「……は?」
「そんな普通の時期に来る転校生じゃつまらないって言ったの。転校生って言ったらやっぱり季節外れの謎の転校生でしょ! 謎を背負っているからには当然不自然な時期に転校して来なきゃダメなのよ!」
 ハルヒがぶんぶんと大きく手を振り上げ、謎の転校生の重要性について語り始める。古典的な文学から過去のサブカルチャー、辺境の諺や習慣、身近な人の体験談等々。全く持って何の役に立つか分らない雑学としか言いようがない知識及びそれを元にしたいい加減な論理だったが調子づいてしまったハルヒの口を塞ぐのは不可能だ。
 既に下校時間は過ぎているというのに、俺達は校舎と寮の間の通学路で延々ハルヒの話を聞かされる羽目になってしまった。


 翌日の放課後。
 俺は空き教室へ続く廊下でばったりと長門と出くわした。長門有希は音も無くという表現が相応しい動きを見せる人物だ。さすがに廊下を曲がってその場に長門を発見した時はびっくりしたね。普通足音くらい立てるもんだろ。
「よ、ようっ」
「……」
 長門が無言で俺のことを見上げて来る。そういや廊下で長門と会うのは珍しいな。あの空き教室に通い始めて既に半月以上が経過しているが今までの統計上長門は十割の確率で俺やハルヒより先にあの教室に居た。長門のクラスの担任がホームルームを早く終わらせる方なんだろうと思ってあまり気にして無かったがよくよく考えると十割ってのも凄いな。一回くらい何かしら遅れる理由が有るときが有っても良いだろうに。今日がその理由が有る日か? その辺に関しては長門個人あるいは長門のクラスの事情だろうから俺の知るところじゃないが。
 長門は俺の存在には気付いたようだが挨拶も交わさずに淡々と廊下を進んでいく。意図的に無視しているという雰囲気でも無い。奇妙な感じだ。まるで挨拶の方法を知らないみたいだ。幾らなんでもそんなことはあり得ないと思うが単純に人付き合いが苦手だという可能性は捨てきれない。今までの浮世離れした行動を見る限り長門の対人スキルがあまり高い方では無いというのは間違い無いみたいだしな。
「なあ、長門」
「……なに?」
 呼べば一応答えてはくれる。だから聞こえて無いわけでも無視されているわけでもない。
「いや、お前何時も最初にあの教室に来ているよな」
「……そう」
「お前の担任はホームルームを終わらせるのが早いのか?」
「ホームルームには出ていない」
「えっ」
「出席理由が見当たらなかったため欠席することにした。……それが入学して三日目の話。それ以降ホームルームには出席していない」
「そ、そうか……」
 長門はあっさりと口にしているがホームルームを毎日退席している生徒なんてのは先ず有り得ない。ハルヒみたいに数日に一度ホームルームが始まる前にどこかに消えるような奴はいるが、毎日欠席なんてしていたら確実に教師に呼び出される。ホームルーム程度で停学や退学にはならないだろうが厳重注意くらいは受けるはずだ。長門の場合それすら聞き流してしまいそうだが――どうも、それで注意を受けているという感じでも無さそうだな。
 朝倉の言葉が正しければこいつは何かしらの事情を背負ってここに在籍することになった生徒だ。それはつまり、ホームルームを欠席するくらい取るに足らないくらい価値の有る存在だと思われているか、あるいは最初からそういう人物だと位置づけられているってことだ。これは俺の想像だが、長門は前者の要素も含んだ後者なんじゃないだろうか。早熟だが対人能力に問題の有る天才――そういう風に考えると長門の奇妙な行動やずば抜けた情報操作能力にも納得がいく。
 考えながらゆっくりと歩く俺を他所に小柄な影が前を行く。俺の方に注意を払っている様子は全く無い。こいつは他人に関心というものが無いのだろうか。無い、のかもしれないが、それにしては付き合いが良いよな。他人が嫌いなら初日にハルヒの誘いを断ればそれで済む話だったはずだし、現に大多数の生徒はハルヒの勧誘を断っている。
「……」
 長門が無言のまま扉を開き、俺もそれに続く。扉が開いている、ということはつまり中には人がいるということだ。ここは普段は施錠されているからな。電子式のキーが主になったこの時代、学校の教室や施設などを借りる場合は時間単位や日単位でのみ認証されるキーが貸し出されることが一般的だ。この教室の場合は一日ごとに職員室に行くことになっている。面倒だがそういう仕組みだから仕方がない。普段は長門が開けているんだが今日はハルヒか朝比奈さんが取ってきたのだろう。
「ふうん、ここをこう、かしら」
「あ、あのあの、涼宮さん、それは……」
「もう、みくるちゃん。固いこと言わないの。んー、わっかりにくいわねえ」
 教室の中では既に到着しているハルヒと朝比奈さんがいた。ハルヒが個人端末に向かい合ったまま何事か呟き朝比奈さんがそれを制止しようとしているようだが、はて、二人は何をしているのだろうか。俺にはさっぱり分らん。
「キョン、有希、あんた達やっと来たのね」
「ああ。ところでお前、何しているんだ?」
「ちょっとした情報収集よ、情報収集」
 黒地に白の文字だけが広がる画面でハルヒがキーをタイピングする。……誓っても良い。絶対適当に押しているだけだ。
「情報って……、おい、ハルヒ、お前一体何を調べていたんだ」
「学校のことだけど」
「学校って……」
「この学校の歴史とか、設備とか、ちょっと調べていただけよ。何か変なセキュリティがかかっているのか上手く見つけられないんだけど」
 ヒヤリと、俺の背中を冷たい物が伝い落ちた。
「バカ、それを貸せ!」
 俺はハルヒの手元から端末を取り上げた。この黒い画面はセキュリティの罠に引っ掛かったか或いはセキュリティで庇いきれない場所に有った雑多なデータな海に大分したかのどちらかだ。どちらにしろ、余り歓迎出来る事態じゃない。
「え、ええっ。ちょっとキョン、何すんのよ」
「説明は後だ。長門、この画面から復帰出るよな? 出来れば痕跡も全部消して欲しい」
「……分かった」
 俺は端末を長門に押しつけた。民間船とはいえ船の操船システムをハッキング出来る長門に託せば何とかなる、と思う。
「ちょっと、あんた達何しているのよ。返しなさいよ」
「ハルヒ、まずは黙って俺の説明を聞け」
 俺は長門の方に手を伸ばそうとするハルヒの手を掴み、俺の方を向かせた。形振りかまっている場合では無い。長門の腕は信頼しているがことは一刻を争う可能性だって有る。邪魔をされるわけにはいかない。
「何よ……。一体何だって言うのよ。あたしはちょっと調べごとをしただけよ」
「それが『ちょっと』じゃすまないことなんだよ」
「……何それ、どういう意味?」
 ハルヒは無知なところが有るが馬鹿では無い。説明すれば理解するだけの頭は持っている。
 俺は疑問に思うハルヒに簡単に事情を説明してやった。ハルヒが学校に関する情報の一体何を調べようとしていたか知らないが、士官学校に関する情報のうち開示されているのはほんの僅かな部分のみだ。ここは学校ではあるが一応軍の施設の一つでも有るからな。兵器などが常設されているわけじゃないがそれでも明かせない情報というものが有る。当然そのセキュリティレベルもその他の学校よりも高い。
 そして大抵の軍事施設の情報原がそうであるようにこの手の情報ってのは無許可でアクセスしようとするとセキュリティに阻まれるだけでは無く逆にハックされてアクセスした側の身元が割れる用に出来ている。最悪の場合自宅に軍が踏み込んでくる可能性だって有るんだ。
 軍の情報技術の分野はかなり洗練されている。素人が触れて良い物じゃない。
「へえ、そういうものなのね」
 俺はかなり真面目に危険性を説いたつもりなんだが、当のハルヒはその事情は理解していても危険性についてまでは理解が及んでないようだった。実感が無いからだろうか。バカは痛い目を見ないと治らないというが――現状でハルヒが痛い目を見ると俺達まで巻き込まれそうなので、痛い目を見た方が良い、と言えないのが辛いところだな。
「長門、状況はどうだ?」
「問題ない。痕跡は全て消した。向こうの逆探知が動くよりも前に辿った部分を回収したため向こうがアクセスした対象を探す可能性も無い」
 それは一安心だ。
 長門は手にした端末の画面が正常状態に戻ったのを確認してから、その端末を朝比奈さんに向かって差し出した。ん、なんで朝比奈さん? ハルヒじゃないのか。
「これは朝比奈みくるの端末」
「へっ……マジか!」
「IDが朝比奈みくるの物だった」
 長門がじっと朝比奈さんの目を見る。どうやら一応当人に確認を促しているらしい。朝比奈さんの肩がびくっと震えた。
「あ、はい……、あたしの、です」
 朝比奈さんは震える手で端末を受けとると、画面を確認し閉会式の端末をぱたりと閉じバッグへと仕舞った。
「……何で朝比奈さんのを使ってたんだ?」
「あたしのよりみくるちゃんの持っているのの方が性能が良さそうだったからよ」
 一歩間違えば朝比奈さんが犯罪者扱いされていたかも知れないというのに、こいつはその自覚さえないのか。悪意が無かったとか、知らなかったとかですまされる問題では無いのだ。俺達は士官学校の生徒何だ。下手すれば反逆罪扱いになっていた可能性だってある。
「何、キョン、言いたいことでも有るの?」
「いや……。お前がことの重大性を理解してくれればそれで良い」
「何それ。……まあ、言いたいことは分かったわよ。でもさ、他人の端末を使うのがダメでも、上手くやればちょっとくらい情報をあさったりできるわよね、……有希ならそのくらい出来るんじゃない?」
「なっ」
「推奨はしない」
 凝りないハルヒに対して俺が怒りの声を上げるよりも先に長門が声を響かせた。平坦な癖によく響く澄んだ声だ。
「ええ、なんでよ。良いじゃない、ちょっとくらい」
「今回はたまたまセキュリティの穴に入る形だったから比較的容易に痕跡の除去が出来ただけ。軍のセキュリティを突破した上で情報を持ち帰り痕跡も除去するとなればその難易度は何十倍にも跳ね上がる。……だから、推奨は出来ない」
「んー、有希でも難しいのね。……じゃあ、仕方無いわね」
 ようやく諦めてくれたか。
 ハルヒがまた何か妙なことを思いつく可能性はあるがとりあえず一段落だ。
 大事にならなくて良かった良かった。


 それから暫くの間ハルヒは長門に情報関係のことを色々と聞いていたようだが途中で理解出来なくなったのかそれとも飽きたのか、あたしちょっと用事が有るから席を外すわ、あんた達は適当な時間に帰りなさいと言って教室を出て行ってしまった。相変わらず勝手な奴である。
「あ、長門さん……、さっきはありがとうございます」
 ハルヒが居なくなったところで朝比奈さんが改めて長門に頭を下げた。本日この人は俺の端末を使って俺とゲームをしていたのみだ。痕跡を除去してもらったと言ってもまだ自分の端末に触る勇気が無いらしい。明日の授業で必要になるときまでに触れるように気持ちを切り替えられるようになれば良いのだが。
「良い、あなたのためにしたわけでは無い」
 じゃあ誰のためだ、なんてことは聴かない方が良いんだろうな。
「……あ、うん、そう、ですよね。長門さんはキョンくんに言われてやっただけですものね」
 朝比奈さんは長門に向かってもう一度頭を下げると、今度は俺の方へと向いてありがとう、と言った。
「俺は何もしていませんよ」
「ううん、でも……」
 朝比奈さんが言外に告げたいことは何となく分かる。あの状況で俺がおらず、長門だけしか来てなかったら、長門が対処のために動いたかどうか――さすがに途中で気付くだろうが、初動が遅れる致命的なことになっていた可能性が有る。とはいえ朝比奈さんも、さすがに長門本人が居る前で「キョンくんがいなかったら」などと言えるわけもない。まあ長門やハルヒが今の朝比奈さんの立場だったりしたら(その仮定自体が先ず有り得ない、というのは置いておくとして)、例え本人が同じ部屋の中に居てもはっきり言うだろうけどな。あいつらに細かい気遣いを期待するだけ無駄だ。
「良いんですって。全ては長門のおかげです」
 朝比奈さんの言いたいことは分かるが実際俺は何もしていない。長門が居なきゃ俺も朝比奈さんと一緒に慌てるだけだっただろう。でなきゃハルヒの首根っこを捕まえて教師連中に説明もとい弁解に行くかだな。その場合まとめて退学か、少なくとも停学か謹慎くらいにはなっていただろう。
「キョンくん……」
「何事も無くて良かったですね」
「うん、それは本当に……」
 朝比奈さんはハルヒとは違う。軍の情報に触れることの危険度はきちんと理解しているはずだ。それを説明出来なかったのは彼女の落ち度と言えば落ち度だがそれを責めるのは酷だ。素人ならいざ知らず、士官学校の生徒がその危険性も把握せずに軍の情報にアクセスしようとするなんてことが先ず有り得ないからだ。常識外の生徒に対応する方法なんてのは士官学校で学ぶようなことじゃない。
 会話の止まった俺と朝比奈さんの背後で長門がぱたりと本を閉じる。その音を合図に俺達三人は寮への帰路に着いた。


 俺が聴きそびれた幾つかのことを思い出し、また、その件について朝比奈さんに聞く機会を得たのはそれから数日後のことだ。本日まだハルヒと長門は来ておらず、朝比奈さんだけが教室に居らっしゃった。
「この間のことなんですけど……、もし、大事になっていたらどうするつもりだったんですか?」
 仮定のことを質問するのは卑怯だというのは把握しているつもりだ。しかし過ぎたことだという前提でなら訊ねてみるのも有りだろう。正直朝比奈さんの危機管理能力はハルヒと別の意味で低いと言わざるを得ない部分が有る。別にこの人と付き合うことで俺の人生にマイナスが生じると言ったほど酷いわけでは無いが、それでも訊ねてみたいことや確かめてみたいことの一つや二つ存在する。
「え、そ、それは……そう、ですね。ううん、どうしたかなあ……」
 ……本気で何も考えて無かったのはこの人は。
「あ、でも……、もし何か起きても、キョンくんがあたしを守ってくれましたよね」
「……は?」
「違いますか?」
「それは、その……」
 まあ、守るというのが具体的にどういう行為をさすのかという疑問は有るが俺は多分長門がいなくても独力で痕跡の除去や端末の復帰に尽力しただろうし、それがダメでもしも朝比奈さんが軍に銃を突きつけられるような羽目になっても弁護として事情を話すくらいのことはしただろう。少なくとも逃げはしないさ。
「……俺は、ハルヒや長門よりも頼りないですよ」
 だが、そんな行為に一体どれだけの意味が有るというのだろう。
 俺はハルヒのように成績だけでその他のマイナス点を全てカバーできるような優等生でも無いし、長門のように人並み外れた能力を持っているわけでもない。俺はただの人だ。
「ううん、キョンくんはちゃんと頼りになる人です」
 そう言って、朝比奈さんは片目を瞑った。
 そんな風に言われてしまうと「そんなこと無いですよ」の一言が口にし辛いな。
「だってキョンくんは、ちゃんと涼宮さんの行動を止めて、何がいけないか説明出来たじゃないですか。……あたしには、それも出来なかったから」
「朝比奈さん……」
「ごめんね、あたしがちゃんと止めていればそれで済む話だったのに」
「いえ、良いんですよ。あれはハルヒの行動が無茶苦茶過ぎただけです。ついていけなくても無理は無いですって。俺が止められたのは当事者じゃなかったからも知れないですし」
 人間他人が慌てている方が冷静になったりするからな。
「そうですか?」
「そういうものですって」
 朝比奈さんは、ううん、そうかなあ、などと呟いているが、この人もそのうち納得してくれることだろう。俺は別に特別なことをしてない、朝比奈さんの行動に落ち度はない。
 ハルヒが無茶なことをやろうとし、長門がそれを止めた。
 そしてその事態に俺や朝比奈さんも関わっていた。
 ――ただ、それだけのことだ。


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